30代薬剤師mint-tomatoの体験記

お薬と健康情報・薬剤師のお仕事紹介

薬局でよく聞かれる質問 8.セントジョーンズワートって何ですか?

 こんにちは、薬局薬剤師のミントトマトです。現在は、総合病院のすぐ前にある調剤薬局で勤務しています。薬局にいると、患者さんから色んな質問を受けます。薬局でよく聞かれる質問にお答えしていこうと思います。

 

 

8.セントジョーンズワートって何ですか?

お薬の説明書に、よく、「セントジョーンズワートセイヨウオトギリソウ)は飲み合わせが悪いので飲まないでください」と書かれていることがあります。セントジョーンズワートセイヨウオトギリソウ)とは、健康食品/健康茶やサプリメントに使われることがあるハーブの一種で、気持ちを落ち着かせるなどの効果があると言われています。日本の普通の食事に入っていることはまずありませんが、健康食品/健康茶やサプリメントを飲んでいる方は注意が必要です。説明書や容器に記載してある成分表などにセントジョーンズワートセイヨウオトギリソウ)などと記載されていないかよく見てくださいね。

お薬と飲み合わせが悪い理由は、このセントジョーンズワートセイヨウオトギリソウ)がお薬の作用を増強して副作用が出てしまったり、逆に減弱させてしまう可能性があるためです。一緒に飲まなければ時間差で飲んでいい、というわけでもありません。セントジョーンズワートのお薬に影響する力はしばらく残りますので、飲み合わせが悪いと書いてあるお薬を飲んでいる間は、このセントジョーンズワートセイヨウオトギリソウ)は飲まないようにしましょう。

薬局でよく聞かれる質問 7.目の前の病院以外の処方せんも受け付けてもらえますか?

 こんにちは、薬局薬剤師のミントトマトです。現在は、総合病院のすぐ前にある調剤薬局で勤務しています。薬局にいると、患者さんから色んな質問を受けます。

普段から通院をしていない方は、初めて処方せんを持って薬局に行くとわからないことも多いですよね。薬局でよく聞かれる質問にお答えしていこうと思います。

 

 

7.目の前の病院以外の処方せんも受け付けてもらえますか?

はい。すぐ目の前の病院の処方せんはもちろん、どこの医療機関の処方せんでも受け付けています。

 

前回「6.家の近くの薬局を利用したいけど、同じ薬がもらえますか?」でもお話しした通り、薬局はどこの医療機関の処方せんであっても受け付けています。

ただし、お薬の在庫があるかどうかは別問題です。すぐに用意できない場合があります。近隣の薬局が持っていれば、麻薬や一部の特殊な薬以外は分けてもらうこともできますし、なければ薬の問屋さんに手配してもらいます。私のいる薬局では、不足薬については、麻薬など特殊な薬でなければ郵送対応もしています。(以前働いていた薬局では、薬の郵送はできないルールでした。薬局ごとに対応は違います)また、場合によっては処方せん発行元の医療機関に頼んで別の薬に変えてもらうお願いをすることもあります。

 

薬局でよく聞かれる質問 6.家の近くの薬局を利用したいけど、同じ薬がもらえますか?

 こんにちは、薬局薬剤師のミントトマトです。現在は、総合病院のすぐ前にある調剤薬局で勤務しています。薬局にいると、患者さんから色んな質問を受けます。

普段から通院をしていない方は、初めて処方せんを持って薬局に行くとわからないことも多いですよね。薬局でよく聞かれる質問にお答えしていこうと思います。

 

 

6.家の近くの薬局を利用したいけど、同じ薬がもらえますか?

はい。処方せんを持っていけば、どこの薬局でも受け付けてもらえます。

ただし、ジェネリック医薬品については、薬局ごとに在庫しているジェネリック医薬品のメーカーが違うので、同じ内容の処方せんを持って行っても、ジェネリック医薬品のメーカーが変わる可能性はあります。メーカーの変更については細かいルールがあるのですが、ジェネリック医薬品は薬局で処方せんとは違うメーカーに変更することが可能なことが多いからです。

また、そもそも家の近くの薬局でお薬を在庫していない場合も考えられます。いきなり持って行ってもお薬の手配に時間がかかる可能性もあります。次回から薬局を移る予定で、薬も毎回同じような内容と予想できるのであれば、あらかじめそこの薬局へお薬手帳を持って行って薬の在庫があるか、用意しておいてもらえるか確認しておくことをおすすめします。

 

薬局側の事情なので、なかなか患者さん側としては理解しにくい内容かもしれませんが、薬局にお薬の在庫がないのはよくあることです。他の薬局へ行ったら薬がなくて取り寄せに時間がかかった、違うジェネリックに変わってしまった、と言って戻ってくる患者さんも時々おられます。

それでも、一応薬局は、すべての医療機関の処方せんを受け付けているので、数日かかってでも取り寄せてほしい、と患者さんから言われたら、薬局側は断ることはできません。時間がかかっても何とか取り寄せてくれるはずです。例外で、特殊な保険、特殊な薬、処方せんの不備(一部の薬局と処方せん発行元医療機関だけで決められた暗黙のルールがある)などの場合は、別の薬局では取り扱いできないと言われてしまうことがありえます。やはり、事前に薬局に確認しておくのが良いでしょう。

薬局でよく聞かれる質問 5.薬局に来たら同じ薬がもらえますか?

 こんにちは、薬局薬剤師のミントトマトです。現在は、総合病院のすぐ前にある調剤薬局で勤務しています。薬局にいると、患者さんから色んな質問を受けます。

普段から通院をしていない方は、初めて処方せんを持って薬局に行くとわからないことも多いですよね。薬局でよく聞かれる質問にお答えしていこうと思います。

 

5.薬局に来たら同じ薬がもらえますか?

同じ薬を継続するつもりの患者様に時々聞かれる質問です。

答えは、いいえ。

薬局で薬をもらうには同じ薬であっても、毎回処方せんが必要です。法律で決まっているから、と言ってしまえばそれまでですが、同じ薬であっても、次来るときには患者様の状態が変わっている可能性も考えられるので、毎回、医師が発行した処方せんがないと薬は渡せないのです。

ちなみに、海外では「リフィル処方せん」と言って、一定の定められた期間内なら反復使用できる制度を導入している場合がありますが、現在日本ではそのような制度は導入されていません。

受診を忘れていてもう薬がない!となって慌てて薬局に駆け込まれることも時々あります。残念ですが、どんな事情があったとしても、処方せんがないと薬局で勝手にお薬を渡すことはできませんので、診察を先に受けに行ってください。

薬剤師にも知っておいてほしい。排卵日検査薬について。

こんにちは。以前ドラッグストアで勤務していた薬剤師のミントトマトと申します。

ドラッグストアで勤務していた時に、調剤室で生理予定当日から使える妊娠検査薬と、排卵日検査薬を販売していました。当時、私はまだ独身だったので、自分が使うなんて想像もしませんでしたし、なんとなくの原理がわかっているだけの状態でなんとか説明・販売をしていました。今思うと、女性薬剤師としてもっと勉強しておくべきだったなと思います。

 

妊娠検査薬は、生理予定日1週間後から使える商品と、生理予定日当日から使える商品があります。妊娠した時に出るヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を尿検査で数分で確認できるというものです。

排卵日検査薬は、排卵する直前に急激に増える黄体形成ホルモン(LH)の変化を尿検査でとらえることで、そのすぐ後に起こる排卵日を予想することができるという商品です。

 

妊娠検査薬は、記載された日に測定して陽性にならなくても、妊娠していれば数日後に再チャレンジしたら陽性が出ます。原理も使うタイミングもそこまで複雑ではありません。

問題は排卵日検査薬です。

 

排卵日検査薬は、検査の原理とともに、女性の生理と使う背景をしっかり理解しておく必要があります。

排卵検査薬はある範囲のホルモン量しか判定できないので、元々ホルモン量が多い方だとずっと陽性が出続けてしまったり、ホルモン量が少ない方だと全く陽性にならない場合もあります。検査は排卵予測日の数日前(商品によって測定開始日の計算方法が違います)から毎日同じ時間帯に測定し、陰性→陽性→陰性が順に出ることを確認できれば、きちんとホルモンの変化をとらえることができているとわかります。

排卵日検査薬は妊娠を希望する女性が、妊娠しやすい日を予想するために使うわけですが、排卵日というのは、実際は産婦人科での検査でないと正確な予想はできません。ホルモン量が上がってきて排卵日検査薬で陽性になったとして、説明書通りに本当にその翌日に排卵するかどうかはわかりません。2~3日ずれる可能性もあります。

さらに、一番妊娠しやすい日とは排卵日当日ではないかもしれません。私自身が妊活をして色々情報を収集したところ、最近は排卵日の2日前が最も妊娠しやすい日と言われています。精子の寿命は数日間あるので、排卵日の前からスタンバイさせておくことで受精の確立が上がるというわけです。排卵日検査薬で陽性が出た時にはすでに最も妊娠しやすい日を過ぎている可能性もあります。なので、本当は陽性が出るのを待たずにタイミングを取っておいた方が妊娠の確立は上がります。

 

それと、補足ですが、検査薬には紙コップは付属されていません。直接尿をかけて測定することもできますが、洋室トイレで使うのはなかなか難しかったりします。うまくできるか心配な方には紙コップを用意してもらった方が良いでしょう。

 

結局、自身の妊活中に排卵日検査薬は1回も使っていませんが、妊活中にいろんな情報を目にして、たかが検査薬でもいろいろ使う人の背景も知っておくべきだなと感じました。やはり、説明書以上の情報を伝えた方が、わざわざ薬剤師が対面で売る意味があるのではないかなーと思います。今の薬局では売ってないので残念ですが、これを見た誰かに活かしてもらえればと思います。

薬局でよく聞かれる質問 4.待ち時間に一旦外に出てもいいですか?

 こんにちは、薬局薬剤師のミントトマトです。現在は、総合病院のすぐ前にある調剤薬局で勤務しています。薬局にいると、患者さんから色んな質問を受けます。

普段から通院をしていない方は、初めて処方せんを持って薬局に行くとわからないことも多いですよね。薬局でよく聞かれる質問にお答えしていこうと思います。

 

4.待ち時間が長いので、一旦外に出てもいいですか?

はい、大丈夫です。

できれば、どれくらいで戻ってくるかを伝えておいてもらった方が、後回しにされずに用意しておいてもらえるのオススメです。また、在庫がなかったり、処方の内容で確認したいことが出てきた場合にすぐ連絡がつくよう、ケータイなどの電話番号を伝えておきましょう。

混雑時や、お薬の量が多くて時間がかかるのがわかっている場合は、無理に薬局内で待つ必要はありません。処方せんを渡してあれば、お薬は翌日以降に取りに行っても大丈夫です。ただし、月をまたぐと保険請求できなくなってしまう場合があるので、できるだけその月のうちに取りに行くようにしましょう。

 

診察で長時間待たされて、さらにお薬の待ち時間が長いのはつらいですよね。体調が悪くてしんどかったり、用事があってこれ以上待てないなど事情がある場合は、薬局の受付で予想待ち時間を聞いたり、外出したいと伝えてくださいね。

薬局でよく聞かれる質問 3.代理の者が取りに来ても大丈夫ですか?

こんにちは、薬局薬剤師のミントトマトです。現在は、総合病院のすぐ前にある調剤薬局で勤務しています。薬局にいると、患者さんから色んな質問を受けます。

普段から通院をしていない方は、初めて処方せんを持って薬局に行くとわからないことも多いですよね。薬局でよく聞かれる質問にお答えしていこうと思います。

 

 

3.代理の者が取りに来ても大丈夫ですか?

はい、大丈夫です。ご主人の処方せんを奥様が代理で処方せんを持って来られる場合もありますし、高齢の患者さんの場合は家族の方が代理で処方せんを持って来られることも多いです。

薬剤師としては、できればお薬のことを把握している方が取りに来てもらえると、何か確認したいときにも助かるのですが、それぞれ事情がおありだと思うので絶対ではありません。中には、近所の方とか、彼女さんとか、血縁でない方が代理で来られることもあります。

ただし、薬局によっては保険証を確認されることがあるので、特に初めて行く薬局の場合は処方せんと一緒に保険証も預かってきてもらえるといいかなと思います。最悪の場合、一旦お薬代を自費で払うなんてことになりかねないので。

 

いかがでしたか?必ずしも本人が薬局に来る必要はないので、忙しい方や体力的に薬局に行くのが大変な方は、ご家族などに頼んでみてはいかがでしょうか?

薬局でよく聞かれる質問 2.薬局は病院と同じ系列なんですか?

こんにちは、薬局薬剤師のミントトマトです。現在は、総合病院のすぐ前にある調剤薬局で勤務しています。薬局にいると、患者さんから色んな質問を受けます。

普段から通院をしていない方は、初めて処方せんを持って薬局に行くとわからないことも多いですよね。薬局でよく聞かれる質問にお答えしていこうと思います。

 

 

2.薬局は病院と同じ系列なんですか?ここは病院の中ですか?

これは、病院のすぐ隣にある薬局でよく聞かれる質問です。

薬局は、病院とは全く別の経営となっています。なので、医者が書いたカルテは見れませんし、検査結果もわかりません。診察の代金とは別で、お薬代は薬局で支払う必要があります。

二度手間になりますが、薬局でもアレルギーや病歴などを再度確認しますし、検査結果もできれば薬剤師に見せてあげてほしいです。薬剤師は、処方せんに書かれている情報以外は、患者さんから直接聞きだすしかありません。的確なお薬の説明を聞くには、患者さん側の協力が必要なのです。

 

ちなみに、大きな病院ならお薬窓口(院内薬局)があって、「院外処方せん」は出さずに、中で用意してくれる場合もあります。クリニックや医院などでも、会計時にお薬を一緒に渡してくれることもあります。昔からあるこのシステムは、院内処方と呼ばれています。反対に、処方せんを渡されて、外の薬局に持っていくようなシステムを院外処方と呼びます。医療機関によっては、院内処方と院外処方の両方対応していることもあります。

 院外処方せんは、原則、どこの薬局に持って行っても受け付けてもらえます。ただし、発行元の医療機関から離れた薬局だと、処方されたお薬が在庫してないことも多いので、注意が必要です。在庫がない場合、問屋から取り寄せるか、近隣の薬局から分けてもらうか、発行元の医療機関の隣の薬局に戻ってもらうなどの対応をされます。

 

 いかがでしたか?病院とは全く別の医療機関とは知らずに、薬局に来られてから病院内のクレームを薬局で話される方も時々おられますし、診察のお会計とは別にお薬代を払うことに驚かれる方もいます。

薬局は病院と治療のために必要な情報を共有することはあっても、基本的には別の医療機関なので、必要以上の個人情報をやり取りすることはありませんし、経営も全く別です。医療機関側の事情ですが、知っておいてもらえると、何かあった時に患者さん側も対応しやすいかなと思います。

薬局でよく聞かれる質問 1.処方せんの期限っていつまでですか?

こんにちは、薬局薬剤師のミントトマトです。現在は、総合病院のすぐ前にある調剤薬局で勤務しています。薬局にいると、患者さんから色んな質問を受けます。

普段から通院をしていない方は、初めて処方せんを持って薬局に行くとわからないことも多いですよね。薬局でよく聞かれる質問にお答えしていこうと思います。

 

 

1.処方せんの期限っていつまでですか?

多くの方は、診察を終えて、処方せんを受け取ったらその足で薬局に向かうと思います。すぐにでも薬をもらって使いたいですもんね。でも、事情があってその日のうちに薬局に行けない場合は、処方せんはいつまで有効なのでしょうか?

 

答えは、処方せん発行日を含めて4日間です。

 

処方せんをよーく見てみると、発行日の近くに小さく有効期限4日間と記載してあるはずです。なぜ4日間が期限かというと、基本的にはすぐに使う必要がある薬を医者が処方しているはずだし、4日以上経つと病状が変化している可能性もあるからです。

 

では、4日を超えてしまったら、どうなるのでしょう?

基本的には、期限切れの処方せんは、もう処方せんとして扱えないので、薬局に行っても対応してもらえません。発行元の医療機関に戻って再発行してもらうか、再度診察してもらう必要があります。また、処方せんの再発行は、保険が効かないので自費扱いになってしまうので注意してください。医療機関によって対応が多少違うことがあるので、期限が切れた!となってしまった場合は、とりあえず、発行元の医療機関に電話で確認してもらうのが良いと思います。

 

診察から薬局に来られるまでの時差が長いと、何か医師に確認したい点が見つかった際に、診察時間外になっていたり、医師が席を外していてすぐに確認できないことがあります。確認できるまでお薬を渡せない、なんて弊害が起こる可能性があるので、やはり、その日のうちに薬局に来てもらえると一番スムーズかなと思います。

 

期限内に処方せんを受け付けた後なら、そのお薬のお渡しは4日以上経った後になっても大丈夫という対応をしてくれるところが多いので、時間がない場合はとりあえず処方せんを薬局に預けて後日取りに行くという方法が良いかと思います。ただし、1か月以上取りに来ない場合は無効になることもあるので、薬局に処方せんを渡した後も、なるべく早めに取りに行ってくださいね。

 

なお、処方せんのFAXを薬局に送っておくと待ち時間短縮ができます。先にお薬の準備だけ進めておいてもらえるからです。送った後、時間をおいてから取りに行けば、薬局での待ち時間を短縮することができます。薬局の混雑時や薬の在庫がない場合はFAXしても時間がかかることがあるので、電話でいつ頃準備ができるか薬局に聞いてもらえば、取りに行って、まだできてなかった!なんてことも防げます。

処方せんFAX後は、送った「処方せんの原本」を持っていかないとお薬を受け取ることができないので注意してくださいね。また、FAX処方せんを送った時点では受付したとみなされないので、処方せんの原本は期限内に必ず薬局に持参してください。

 

いかがでしたか?処方せんの期限は本当に小さな字で書いてあるだけなので、結構知らない人も多いんです。せっかく処方してもらったお薬ですから、早めに薬局に持って行ってくださいね。

 

結局、保湿クリームは保険適応されるのか?

こんにちは、薬局薬剤師のミントトマトです。

 

数日前、患者さんにこんな質問をされました。

 

「保湿クリームは保険で買えなくなると聞きました。今はまだ大丈夫なんですか?」

 

この患者さんは若い女性で、出産後の産婦人科の定期受診で他のお薬と一緒に、保湿効果の高いヘパリン類似物質油性クリームが処方されていました。

 

近年、処方せん医薬品の保湿クリームが美容目的で使われていることが問題視されてきています。ヘパリン類似物質配合の保湿剤は、2019年12月現在も保険適応で処方されています。

 

少し専門的な文言になりますが、処方せん医薬品は保険が適応されるために診断名や用途が決まっています。ヘパリン類似物質配合の保湿剤は、保湿効果の他に、皮膚の血行促進作用があり、下記の効果効能があります。

 

血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)

 

難しいので簡単にまとめると、、、

血行が悪く痛みや赤く炎症を起こしている場合や、しもやけ、火傷や手術の傷跡などで皮膚が赤く盛り上がっている状態(ケロイド)、ひどい乾燥、ねんざや打撲後などの腫れや筋肉痛、関節炎などに効果があるということです。

 

ドクターの判断でこれらに該当する場合は処方してもらえ、保険で買うことができます。ただ、優しいドクターなら、患者さんから乾燥肌なのでヘパリン類似物質入りのクリームを出してほしいと相談されると、皮膚科専門でなくても出してくれてしまうのが現状かなと思います。

 

アトピーの方などのひどい乾燥肌の方にも使われる医薬品ですから、低刺激な上、保湿効は抜群です。市販のヘパリン類似物質入りのクリームを買ったことがある方は知っていると思いますが、これ、結構高いんです。市販の商品なら50〜60g入りで2,000円〜3,000円します。処方せん医薬品も同様に元の値段は結構高いです。保険で買うと1割〜3割負担で済むので、ヘタな高い化粧品を買うより安く買えてしまうわけですね。そんな情報が回って、ドクターに頼んで出してもらう患者さんが増えているのかなと思います。

ただ、この状況が続いてしまうと、規制されてしまう可能性があります。医療費の7〜9割は健康保険が支払ってくれているわけですが、ただでさえ、医療費は高齢化で年々膨らんでいて支払われている保険料では採算が取れておらず破綻寸前と言われている今、そんな美容目的の無駄使いを見逃すわけにはいきません。

ただ、本来必要としているアトピー治療などの皮膚科の患者さんや、抗がん剤の皮膚への副作用対策として使っている患者さんのために規制を反対するドクターも多く、とりあえず今のところは厚労省は「規制はしないと」しています。

 

市販の商品には、ヘパリン類似物質配合クリームの他に、ワセリンなどの安価でも低刺激なもの、その他ハンドクリームでもかなり改良された商品が出てきています。皮膚科で診てもらう必要性がなければ、自分に合った保湿剤は市販の商品から探すのが基本ですよね。

 

今は規制されていないヘパリン類似物質配合の保湿剤ですが、今後どうなるかはわかりません。湿布薬は、現在既に規制が始まっており、一度にたくさん処方することができなくなっています。医療費削減の流れがある中、今後はこのような規制が増えていくのかもしれません。