30代薬剤師mint-tomatoの体験記

お薬と健康情報・薬剤師のお仕事紹介

薬剤師にも知っておいてほしい。排卵日検査薬について。

こんにちは。以前ドラッグストアで勤務していた薬剤師のミントトマトと申します。

ドラッグストアで勤務していた時に、調剤室で生理予定当日から使える妊娠検査薬と、排卵日検査薬を販売していました。当時、私はまだ独身だったので、自分が使うなんて想像もしませんでしたし、なんとなくの原理がわかっているだけの状態でなんとか説明・販売をしていました。今思うと、女性薬剤師としてもっと勉強しておくべきだったなと思います。

 

妊娠検査薬は、生理予定日1週間後から使える商品と、生理予定日当日から使える商品があります。妊娠した時に出るヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を尿検査で数分で確認できるというものです。

排卵日検査薬は、排卵する直前に急激に増える黄体形成ホルモン(LH)の変化を尿検査でとらえることで、そのすぐ後に起こる排卵日を予想することができるという商品です。

 

妊娠検査薬は、記載された日に測定して陽性にならなくても、妊娠していれば数日後に再チャレンジしたら陽性が出ます。原理も使うタイミングもそこまで複雑ではありません。

問題は排卵日検査薬です。

 

排卵日検査薬は、検査の原理とともに、女性の生理と使う背景をしっかり理解しておく必要があります。

排卵検査薬はある範囲のホルモン量しか判定できないので、元々ホルモン量が多い方だとずっと陽性が出続けてしまったり、ホルモン量が少ない方だと全く陽性にならない場合もあります。検査は排卵予測日の数日前(商品によって測定開始日の計算方法が違います)から毎日同じ時間帯に測定し、陰性→陽性→陰性が順に出ることを確認できれば、きちんとホルモンの変化をとらえることができているとわかります。

排卵日検査薬は妊娠を希望する女性が、妊娠しやすい日を予想するために使うわけですが、排卵日というのは、実際は産婦人科での検査でないと正確な予想はできません。ホルモン量が上がってきて排卵日検査薬で陽性になったとして、説明書通りに本当にその翌日に排卵するかどうかはわかりません。2~3日ずれる可能性もあります。

さらに、一番妊娠しやすい日とは排卵日当日ではないかもしれません。私自身が妊活をして色々情報を収集したところ、最近は排卵日の2日前が最も妊娠しやすい日と言われています。精子の寿命は数日間あるので、排卵日の前からスタンバイさせておくことで受精の確立が上がるというわけです。排卵日検査薬で陽性が出た時にはすでに最も妊娠しやすい日を過ぎている可能性もあります。なので、本当は陽性が出るのを待たずにタイミングを取っておいた方が妊娠の確立は上がります。

 

それと、補足ですが、検査薬には紙コップは付属されていません。直接尿をかけて測定することもできますが、洋室トイレで使うのはなかなか難しかったりします。うまくできるか心配な方には紙コップを用意してもらった方が良いでしょう。

 

結局、自身の妊活中に排卵日検査薬は1回も使っていませんが、妊活中にいろんな情報を目にして、たかが検査薬でもいろいろ使う人の背景も知っておくべきだなと感じました。やはり、説明書以上の情報を伝えた方が、わざわざ薬剤師が対面で売る意味があるのではないかなーと思います。今の薬局では売ってないので残念ですが、これを見た誰かに活かしてもらえればと思います。