30代薬剤師mint-tomatoの体験記

お薬と健康情報・薬剤師のお仕事紹介

ある70歳先輩薬剤師の話

こんにちは。主婦業をしながら薬局薬剤師として働いているミントトマトです。

私は今、31歳です。今働いている薬局には、60歳を超えた(噂では70歳くらい)女性の先輩薬剤師さんがいます。もちろん正社員ではなくパートで、今は週2~3日だけですが、現役で患者さんにお薬の説明をされています。

 

今日は、その70歳の先輩薬剤師について、自分の将来を考えるうえでも重要なので、お話ししたいと思います。

 

1.ある先輩薬剤師の紹介

2.定年と老後の生活を考える

3.自分が定年になったら

 

1.ある先輩薬剤師の紹介

その70歳の女性先輩薬剤師(以下Aさん)は、実は定年まで公務員だったそうです。それ以上の話は聞けなかったのですが、薬学部出身で免許をもっているので、保健所などで勤務していたのだと思います。定年退職された後も、まだまだ元気で働けたので、今の薬局に再就職されました。今までと全く違う仕事にはなりますが、持ち前のコミュニケーション能力を発揮できる患者様へ説明してお薬を渡す(投薬)専門の仕事をされています。もちろん、最初は苦労したようですが、色々調べながらちゃんとお薬の説明をしておられます。薬歴(患者さんの記録)をレセコンに入力するのも、早くはないですが、人にいちいちやり方を聞くこともなく黙々とやっておられます。

医療は日々進歩して、新しい薬もどんどん出てきますし、Aさんが大学にいた時代を考えると、大学で学んだ知識が今に活かせているとも思えません。年齢を考えると、記憶力も若いころのようにはいかないでしょうが、わからないことは自分で調べる、仕事の基本がしっかりできているように思えます。仕事中に、手のかかるおばあちゃんだな、なんてみじんも思ったことはありません。(失礼すぎましたね、すみません)

Aさんは登山が好きで、今も休みの日には日本全国の山を登って、次の出勤日にはお土産を持ってきてくださいます。趣味の登山のために働いて稼いでいるので、仕事も頑張れるのかもしれません。その年齢で、その細い体で仕事も登山もしているなんて!最初に年齢と趣味を聞いたときは驚きました。

 

2.定年と老後を考える

 人生100歳の時代。Aさんのような70歳はまだまだ現役世代となってくるのかもしれません。薬局に来られる患者様も、70歳というと、持病があってもまだまだ元気な方が多いように感じます。老後の楽しみで仕事以外にやりたいことがあったとしても、年金と貯金を切り崩して細々と暮らすより、少しでも収入があった方が良いに決まっています。

勤務薬剤師の給料だけでは定年までに大金持ちには到底なれませんし、資格があるのなら少しでも長く働いた方がお得とも言えます。新しい薬がどんどん入ってくるので、常に勉強はしないといけませんが、患者様との年齢が近くなればより共感しやすくなりますし、若い薬剤師に自分の経験から教えられることもあると思います。若いころと同じようにはいかなくとも、自分の実力と体力を見極めながら長く働けたら素敵ですね。Aさんは、今でもOLのようにきちんとした服装で、ヒールを履いて出勤されます。私より断然きちんとしている!(笑)

 

3.自分が定年になったら

老後2000万円問題、年金が減らされるかもしれない不安、私たちの世代の老後はお金の不安を上げればきりがありません。資産運用というワードも流行っておりますが、まずはできるだけ長く元気に働けることが大事かなと感じます。

これ以上働きたくない、31歳にしてそう思ってしまったことは多々ありますが、Aさんの登山のように、働く理由をなんでもいいから常に持ち続けて頑張らねばです。

将来病気や事故をしないかなんてわかりませんので、もしもの備えは必要ですが、65歳になっても働くんだろうなーと覚悟をしています。その頃まで薬局経営が厳しい時代や薬剤師が溢れる時代が来ないことを祈りますが、もしそうなっても、どこかで必要としてもらえる薬剤師でありたいものです。