薬学部ってこんなところ1
こんにちは、薬局薬剤師として働くミントトマト31歳です。
今日は業界外の方でもわかるよう、薬学部の学生生活を紹介したいと思います。10年ほど前の話になるので私の学生時代と多少事情は変わってきているかもしれませんが、私も薬学部の6年制が始まった2代目の卒業生です。
1.薬学部ってこんなところ
2.大学6年間のスケジュール
3.薬学部に入って感じたメリット
4.アルバイト事情
5.大学の選び方
1.薬学部ってこんなところ
薬学部とは、
今では6年制大学が多くを占めますが、稀に4年制の大学も
薬学部を卒業した後は、薬剤師以外にも様々な進路があります。
・製薬会社(研究職や営業職など)
・公務員(保健所勤務や麻薬取締員など)
・薬の卸売会社(薬の管理責任者担当)
・治験コーディネーター(製薬企業で開発された新薬が、
・大学の研究員(大学院進学後)
※薬剤師免許が無くてもなれる職も含まれています。
大学では、高価な機械を使った実験をする他、教員の確保やパソコンなどの設備も必要なので、私立大学では大体学費が年間200万円くらいかかります。ちなみに使う教材も、専門書なので高いです。
2.大学6年間のスケジュール
薬学部の多くは6年制で、薬剤師を育てるカリキュラムを組んでいます。大学によって多少差がありますが、
1年目:一般教養含む座学
2年目:座学、学生実験
3年目:座学、学生実験、CBT(パソコンでの一斉試験)
4年目:座学、研究室配属(卒論研究のため)、OSCE(
5年目:卒論研究、実務実習
6年目:卒論研究、卒業試験と国家試験の勉強
ほとんどが必修科目なので、長期休み以外は90分の講義時間×4
実務実習は、薬局で2ヶ月半、病院で2ヶ月半行います。実際の現場で薬剤師の仕事を学びます。この実務実習は、薬剤師を目指さない人も必ず行かないといけません。
3.薬学部に入って感じたメリット
一応、ここまで大変さをアピールするような感じで来てしまいましたが、良いことももちろんあります。
・薬剤師の国家試験を受けられる
・学部内の人間関係が密
・実験が面白い
・大学で学んだことを活かせる仕事が多い
学部内での人間関係が密であることとは、どういうことでしょうか。それは、サークルに入らなくても、1年目からグループワークの授業が多く、特に学生実験の間や研究室配属後は協力・相談しながら実験をすることで、仲間意識が自然と強くなるのです。
私の同級生は特に仲間意識が強かったので、最終的に国家試験の勉強では、頭の良い子ができの悪い子に勉強を教える姿がちらほら見られました。6年間ともに時間を過ごした仲間だからできることかなと思います。もちろん、サークルなどに入っておくと、先輩から試験の過去問や試験勉強ノートをもらえたりのメリットもあります。試験に通るにはそういった情報が欠かせないので。
また、恋愛の出会いのメリットもあります。先ほど言った通り、人間関係が密なので学部内での出会いは多く、たとえ6年間の学生時代に何もなくても、卒業後に改めて連絡をとって付き合い始め、結婚に至ったカップルも少なくないんです。ちなみに私は学生時代から付き合っていて、そのまま結婚に至りました。狭い業界の中から結婚相手を選ぶのに抵抗がない人にとっては、メリットですね。
実験に興味があって理系の大学に進む人もいるかなと思います。実験自体は薬学部だけじゃなくて、理学部や農学部や物理学部など理系なら他でも実験自体はできると思います。薬学部の魅力は薬についての実験ができることです。どういうことかというと、例えば植物から薬の種となる化合物を抽出するとか、例えばいろいろな成分が入った液体にどのくらいの量の目的物質が入っているのか測定したりとか、そのほかにも、実際に錠剤を作ってみたり、高度な実験では自分のDNAを取り出して調べるなんて実験もありました(とっても高価な機械を使いました)。
学ぶ内容が専門的なので、就職活動も、特殊です。薬剤師の募集は特に、書類選考はほとんど無いようなもので、簡単な筆記テストと面接して終わりのところが多いですし、倍率も低いです。製薬会社などの企業については、薬剤師以外の人も受けるので、書類選考もしっかりあって倍率も高いです。それでも、大学で学んだ知識は活かせる場面が多いはずです。せっかく高い学費を払って6年も通うわけですから、活かせなくてどうするって感じなんですがね。
この次はアルバイト事情と、大学の選び方についてお話しします。ちょっと長くなってきたので、続きは次回!