30代薬剤師mint-tomatoの体験記

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ビタミン剤の選び方 前編

こんにちは、元ドラッグストア薬剤師のミントトマトです。

最近、サプリメントのTV CMをよく見かけます。忙しい現代人は、食事が偏りビタミンが不足しがちです。ビタミンは不足すると様々な不調を引き起こします。今日は市販のビタミン剤についてご紹介します。

 


1.ビタミン剤の分類

2.ビタミンB1

3.ビタミンB2

4.ナイアシン

5.ビタミンB6

6.ビタミンB12

7.葉酸

8.パントテン酸

9.ビオチン

10.ビタミンC

11.ビタミンA

12.ビタミンD

13.ビタミンE

14.ビタミンK

 

 

1.ビタミン剤の分類

ビタミンといえば、サプリメントが1番テレビCMで良く見かけるかと思います。実は、ビタミン剤には、医薬品に分類される商品と栄養機能食品(いわゆるサプリメント類)に分類される商品があります。

 


医薬品の方が含量が多いと考えられがちですが、ビタミンB1、B2、B12、Cは、食品として販売する場合でも特に含量の上限値は決められていませんので、食品でも医薬品と同等の量が含まれている場合があります。

但し、医薬品は病気の時に有効性を期待して服薬量を設定しますので、1日の服薬量が食事摂取基準のそれ以上摂らない方がよい量(耐用上限量)を上回る場合もあります。

(引用:大塚製薬HP ビタミン&ミネラルQ&A)

 


栄養機能食品とは、特定の栄養成分の補給のために利用される食品です。医薬品ではないので、効果効能は記載できませんが、入っている各ビタミンの機能が表記されています。

 


医薬品には用法用量が、サプリメント(栄養機能食品)には1日の摂取目安量が各商品に記載されていますので、記載された量を超えないように正しく摂取してください。

 


ビタミンには、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの2種類が存在します。

水溶性ビタミンは加熱調理や保存している間に壊れやすく、また、体に入った後は尿と一緒に排泄されやすい特徴があります。そのため、不足しやすい傾向があります。

脂溶性ビタミンは加熱調理でも壊れず、体の中に蓄える事もできます。過剰に摂ると、蓄積されて体に有害な影響が出ることがあります。高脂肪食と一緒に摂ると吸収が良く、逆に、脂肪分の少ない食事だと吸収が悪く、低脂肪食ばかり食べていると不足することがあります。

 


2.ビタミンB1

ビタミンB1は、炭水化物(糖質)からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。水溶性ビタミンに分類されます。エネルギー代謝に必要なビタミンB群の中でも、特に疲れが気になる方に摂ってほしいビタミンです。

ビタミンB1は、「チアミン」という名前で表記されていることがあります。このチアミンを、より吸収しやすい形に工夫された物もあり、ジセチアミン塩酸塩水和物、フルスルチアミンなどがあります。

 


3.ビタミンB2

ビタミンB2は糖質、たんぱく質、脂質の代謝、エネルギー産生を助けます。また、皮膚、髪、爪などの細胞の再生にも関与しています。

口内炎や肌荒れが気になる方に摂ってほしいビタミンです。

ビタミンB2は、「リボフラビン」という名前で表記されていることがあります。リボフラビンリン酸エステルナトリウムや、リボフラビン酪酸エステルと表記されているものもあります。

 


4.ナイアシン

ビタミンB3はナイアシンと呼ばれ、糖質、たんぱく質、脂質の代謝、エネルギー産生を助けます。また、脂肪酸ステロイドホルモンを作ったり、DNAの修復や合成など、体の中で幅広く利用されます。不足すると皮膚炎や口内炎、下痢、物忘れが増えるなどの症状が出ることがあります。

 


5.ビタミンB6

ビタミンB6は、多くのアミノ酸代謝を助けています。免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進、赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成などの生理作用もあり、脂質の代謝にも関与しています。

疲れやが気になる方におすすめされるビタミンです。

ビタミンB6は、ピリドキシンなどと表記されていることがあります。

十分なビタミンB6が摂取できないと、貧血、かゆみを伴う発疹、口唇の荒れ、口角のひびわれ、舌の腫れなどの症状が出てきます。極度に不足した場合、抑うつ、錯乱、免疫機能が低下することがあります。

 


6.ビタミンB12

ビタミンB12は、神経および血液細胞を健康に保ち、全細胞の遺伝物質であるDNAを作る過程を助ける栄養素です。また、疲労や体力低下を引き起こす貧血の予防にも役立ちます。

ビタミンB12は、メチルコバラミン、シアノコバラミンなどと表記されていることがあります。

ビタミンB12は元々動物性食品にしか含まれていません。卵や肉魚類を全く食べないと不足することがあります。また、ビタミンB12を吸収するためには胃酸が重要な働きをします。胃酸の分泌が少ない高齢者などは、不足しやすいと考えられています。

ビタミンB12が不足すると、疲労、体力低下、便秘、食欲不振、体重減少、巨赤芽球性貧血などを引き起こします。しびれや、手足のチクチクする痛みなどの神経症状が起こることもあります。

神経症状に関わるということで、肩こりや腰痛の方におすすめされることが多いビタミンです。

 

 

 

 

ここまで、ビタミンB群についてお話ししました。ビタミンB群は水溶性ビタミンで不足しやすいので、食事で取れない分はサプリメントや医薬品をプラスしてみてはいかがでしょうか?

 


続きは次回!

次は葉酸パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、脂溶性ビタミンを紹介します。